最近流行りの2024年問題議論について 私なりのご意見
2023.12.1
ご観覧の皆様、大変お世話になっております。
代表の松枝です。
2024年問題については、色々なメーカー様・物流会社様・行政機関様から
かなりの勢いでご相談を頂戴しております。
少々、私なりのご意見を書きたいと思います。
また、私の意見は長い現場と経験とともに、コンサルティングの経験を合わせたものです。
大手有名コンサルティング会社の方に失礼が無い様、気を付けて書きたいと思います。
1-問題定義
・乗務員さんの拘束時間が短くなるため、距離・地場輸送時間が減る
・乗務員さんの拘束時間が短くなるため、出勤日数が減る
・乗務員さんの拘束時間が短くなるため、待機時間が勿体ない
・=陸送の最大数量が落ちる→海・JR・空 に逃げる=全て圧迫する
2-問題定義に対する、よくある見解と私の考え
・長距離輸送は、中継地を作ってはどうか
→良いと思いますが、人工は大丈夫ですか?
・長距離輸送の、リードタイムを伸ばしてはどうか
→野菜などの生鮮食品はNGですが、ある程度はOKです。
・地場輸送は、件数を減らしてはどうか
→良いと思われがちですが、車両調達/新規採用はいかがですか
・地場輸送の、納品リードタイムを伸ばす/受注ロッドを設けて積載率向上/車両台数を減らす
→良いのですが、バラの場合です。パレットの場合、数量が限られますし、出荷反動がすごそうですね(調整できるならOKですが)
・バラ輸送からパレット輸送に切り替えてはどうか
→積載率が下がりますね。間違いなく。重量が取れている商品なら良いのですが、才単位になると厄介です。。
・日中輸送を夜間に切り替えてはどうか
→調達関連や工場間の輸送であれば良いと思いますが、双方24H稼働が基本になるのでは?と思いますので、大手様のみしかできません。
などなど、書き出したらキリがないくらいあります。
3-私の考え方
そういえばですが、元々の考え方は、全体の働き方改革の一環でしたが、なぜか変な方向に向かっている気がしております。
・世論の見解:こうなったのは、荷主企業が運送会社に対するわがままのせいだ
これが、先行し、公正取引委員会も腰を上げたと思っています。
・・・たぶん違いますよ、、、 私としては、””荷主企業のわがまま””そこじゃないんですよ。
商品/商材が届くまでの商流は、原材料輸送→工場→保管→問屋→小売→エンドユーザー ※雑貨のよくある形
かなりの方々が携わっていますが、その中で一番品質管理を求められ、一番触らなければならない場所があります。
そうなのです!!『倉庫業および倉庫で各倉庫で働く』方々です!!!!!!!
最近、新規で保管できますか?とご相談を度々頂戴するのですが、入出庫料金を工数で逆算すると、最低賃金以下に設定されてるケースが多いです。
※保管料金は倉庫費用であり、入出庫料金は直接人件費に跳ねていきます。※深い計算方法を知りたい方がおりましたらご相談ください。
こういったロジックがあり、作業者を十分に雇えず、色々なところで待機が発生します。作業場所スペックや荷役レベルも関わりますが・・・。
そこで、現在議論されている””2024年問題””たるものに繋がります。※誰が2024年問題と一番最初にネーミングしたのでしょうか・・・
しかしながらですが、””その料金等々は荷主企業から頂いているじゃねーか””と非難されます。やはり荷主企業が悪いということになりますが、そうでもないんです。
昨今では、値上げ値上げで物流費の高騰や原材料の高騰など、ニュースでよく見かけます。
各物流業者様が値上げ交渉を行っているのも事実ですが、値上げ交渉を行って””切られてしまった””と噂ではちょくちょく聞きます。
実際、仕事ほしさに運賃のたたき売りをしてしまったり、ラウンド輸送なので、安価で引き受けてしまっていたり、事情は色々あると思いますが、
車両原価計算もって、しっかり運賃の作り込みを行っている会社様はかなり少ないのも事実です。相場的に良いとか悪いとかでジャッジしている会社さんも多くみられました。
しかし、
それを元に、メーカーさん的には、売単価の構成を作ってしまったため、””今更、商品を値上げしたら売り場に置いてもらえなくなる””といった事情もあったりします。
すべて、企業存続のため、利益は確保したい・仕事が欲しいを頑張ってきた、その結果が招いたことです。
また、そこには、税金の絡みもありますよね。
特に法人税・・・最近、適格請求書も始まり個人事業主さんや、オーナードライバーさんは締め付けられましたが・・・。※ナンバー貸しは駄目ですよ。
キャッシュが回らなければ、会社は存続できませんし、大きな投資も出来ません。自ずと純利益を追求しますよね。また、スタッフは収支を念頭においた教育をされてます。
=下請け(コスト)を叩こうとする・人件費(コスト)を叩こうとする こんな悪循環も裏にはひそめたりしています。
しかし、エンドの私たちは、回りまわって安価で買い物が可能になったりします。
結局、全部繋がっているんです。
・・・もう何が悪かなんて、どうでもよくなります。
話がかなり大ブレしましたが、2024年問題について私なりに記載します。
・運送業だけではなく。倉庫業・倉庫作業も適正単価を。
→燃料費の高騰・人件費の高騰だけではなく、適正人員数をもって、利益を追求してください。
・待機時間の削減は、倉庫サイドの環境改善・循環が整ってからです。
→予約システムを入れても、捌ける工数/数量が決まっています。受入をならすなど対策が必要です。
・運賃について
→原価計算をしっかり行ってください。相場ではなく、””発生する費用””を元にしてください。
そういえばですが、市政絡みの輸送(物は言えません)の依頼がありましたが、原価に対し、80%程度の運賃でしたが、
トラックGメンさん、灯台下暗しになっておりませんか?
・定期で行っている長距離輸送の運送会社様について
→ぶっちゃけてですが。。。改正後の拘束時間、守れますか?守る為に投資は必要になりますが、いかがですか?
お金が発生する件が多いはずです。声をしっかりあげてください。
・荷主企業様について
→もうご理解いただけていると思いますが、利益を逆算した発想ではなく、売単価を先に決めず、売単価は原価の重ねたものとして
再度、ご認識ください。ライバル企業の単価に合わせに行くと、双方、運べなくなる・保管/ピッキングができなくなる可能性があります。
待機時間についても、荷役方法の問題(積み・下し)・環境問題・作業人員数の問題 など、しっかり整理してください。
大幅な利益追求のため、あえて少ない人数で行っている受託会社もおります。マウントを取られない様に注意が必要です。
輸送についても、安価に引っ張られない様に注意が必要です。後々、値上げがあるかもしれません。
荷主企業・メーカーが2024年問題を引き起こした訳ではありません。数年前からの輸送・保管の単価ダンピングに巻き込まれただけであり、
国政が、運送認可を自由化した時に引き起こしたことです。しかし、法改正なので、やらなければいけません。
と、、、色々書きましたが、根底は、荷主企業・メーカーではなく、自分たち/国政 が引き起こしたのです。
改善策については、各企業様の論点・問題点・内容・キャッシュが違うため、ここには記載しませんが、
あえて一言だけ記載すると、””出来る事と出来ないことがあり、パワープレーだけでは無理である””です。
何かお悩みがございましたらご連絡ください。
No responses yet